間取りのコツ 第1回

1.己を知るべし

毎日のように様々なご希望のお客様のご要望を形にしてきている私たちが、

どのように、どのような手順で間取りを作っているのかを、

机上ではなく、実務上としてイメージしやすいように、

間取りの作り方のコツをご紹介していきます。

私たちも、一番最初は素人で、何もわからないままスタートして色々経験を積んで、

今に至る訳なのですが、経験を積んだ今、どのような方法で間取りを作り始めれば良いのかを

数回に分けてお伝えしていこうと思います。

まずは、己を知るということ。

つまり、注文住宅を建てるのであれば、何故建売ではなく、注文住宅を選んだのかを良く考えてみて下さい。

注文住宅と建売は、新築住宅であるという意味では一緒ですが、全く違う商品であることを理解して下さい。

もしも全く同じ土地に、同じ材料で同じ建物を建築するのであれば、

建売住宅の方が、低価格で購入できるのです。

でも、建売住宅を選ばずに注文住宅にされる方の9割以上の方に共通していることが、

建売住宅では満たされない「こだわり」がきっとあるのだと思います。

そのこだわりを形にするためには、オーダーしなければならないので、注文住宅という商品が

存在するのです。

ですので、自分が何故注文住宅を選んだのかを考えてみましょう。

2.こだわりのリストアップ

すると、出てくること、出てくること・・・こだわりが(笑)

まずは、自分たちのこだわりがどのようなものがあるのかをリスト化してみて下さい。

リスト化していくと、次第にこんなものが必要だよね・・・から、

こんなものも欲しくない??

とあったらいいな程度のものまでリストアップされていきます。

リストが増えれば増えるほど「課金」されていきます(笑)

課金ゲームのアイテムと一緒です。

でも、この時点ではまだ何が必要で何が欲しいだけの物かの分別はつきませんので、

とりあえずひたすらリスト化してもOKです。

3.敷地と建物の配置関係

例として西道路の土地で考えていきます

基本的には南側にスペースがあればあるほど、日照の確保が望めるので、

駐車スペースや庭などは敷地の南側へ配置します。

南側にカースペースや庭を確保する前提

この時は、スペース予定として架空の空間を確保しておくということです。

それに伴い、カースペースから玄関までのアプローチを考えます。

アプローチが長いと、雨天時の行き来でびしょ濡れになりますし、

荷物の運搬も大変になります。

残った赤楕円エリアが、建物を配置するエリアとなります。

4.仮の部屋などの配置決め(ゾーニング)

すると、玄関のおおよその予定位置が見えてきます。

あとは、自分たちが使いたいような動線を考えた各部屋の位置取りを仮で決めていきます。

玄関の配置を決めて、各ゾーニングをイメージして

南側にカースペースを確保するならば、南側に玄関があった方が、一番最短距離で

アプローチとしては一番良いのですが、玄関を南側に配置すると、

その分、東西の建物の幅を使用してしまうので、リビングへ日照を入れられる採光の量が

減ってしまいます。

一長一短ですので、どちらも不正解ではありませんが、今回は日照優先したプランで

考えていくと、玄関は道路側かつ、北側がベストとなります。

この各部屋の仮の位置取りを決めていくことを「ゾーニング」と言います。

何気にゾーニングは結構あとでも影響が出てくる作業なので、

よく考えて下さい。

ゾーニングが崩せないが為に、駐車スペースの配置や、建物の形状が変わる場合があります。

300坪の土地に、100坪の家を建てるのであれば、駐車スペースも、日照の確保も自由にできますが、

皆様限られた土地の中で、限られた大きさの建物を建築する方がほとんどなので、

いかに無駄を省き、有効活用ができるパズルを組み立てていくかが、

最もコストを抑え、効率的な家造りとなるのです。

ゾーニング優先で建物の形状が変わってくることもあるので、

ゾーニングはしっかりと行いましょう。

次回の第2回は「部屋の広さの決め方」です