平塚市で不動産の売却と相談をするならプリムシーズ
大きな過ちを犯す前に
売却を実際に検討し始めると、まず最初に「査定」から始めることになります。
「自分の不動産が一体幾ら位で売れるのか?」
「そして手残りは幾ら位になるのか?」
これは売却をご検討であれば、まず最初に誰もが気になるところです。
売却後の手残り金額が多いほうのが誰でも嬉しいはずです。
成約価格が高ければ高いほど、手残り金が多くなります。
しかし、市場で1000万円前後で取引されているものを、1300万円であなたは買いますか?
答えはNOです。
人は物を購入しようとする時、その商品の価格が妥当かどうかを調べてから購入します。
高額な商品であればあるほど、その商品の価格の妥当性をよく調査します。
現代はパソコン、タブレット、スマートフォンといった媒体で、インターネットという簡易的に自分で調べることのできる、非常に便利な情報網を誰でも利用することができます。
あなたがが不動産を購入しようと検討し、探していくうちに自分の予算内で購入できる気に入ったものが見つかったとしましょう。
さて、あなたは気に入った商品がどう考えても相場が1000万円前後のものを、予算内で購入できるからといっても、3割高い1300万円で買いますか?
普通は買いませんよね。
もう少し待てば同じような物件が出てくるか、それともこの物件が値下がりするのかを待つはずです。
もっと遡って考えてみましょう。
相場で1000万円前後で取引されている地域の中で、1300万円で売り出し中の物件を、相場よりも高いなあと思いながらも、あなたは「 真剣に 」見に行きますか?
行きませんよね。
なんで高いのかが気になって「やじうま気分」では見に行っても、真剣には見に行きませんよね。
物件を売却するためには、購入してもらわなければなりません。
購入してもらうということは、物件を探している人に、
どのライバル物件よりも「一番に」気に入ってもらい、
申し込みをしてもらわなければなりません。
つまり、自分の物件の立地、状況等踏まえた資産価値として、
「買主側の立場に置き換わってみて、購入したいと思える価格設定になっているか?」
が売却の原則となります。
相場より安い物件であればもちろん買いたいが、高い物件では買いたくありませんよね?
購入者側の心理を基本として売却活動を始めることが大前提になるのです。
失敗へのレールは「査定時から敷かれている」
前述したとおり、売却の原則は「相場観」を基本とする「購入者側の心理」をしっかりと掴むことです。
これを怠ってしまい、査定に踏み切ってしまった場合、どうなるのでしょうか?
まず前提として、査定する方法は業者ごとに多少異なる点はありながらも、専用の査定ソフトや、近隣の成約事例から査定金額を導き出しますので、大きな違いはなくなります。
しかし、その中でも、高額な査定額を提示する業者が必ずいるはずです。
高く売れるのであれば、それに越したことないので、
多くの依頼者は査定額を一番高く提示した業者に売却を依頼することが多くなります。
ここが大失敗の始まりとなるわけです。
相場以上の価格で物件が売れるケースとは、
- 二世帯住宅を検討していたが、土地の広さに限りがあるため叶わず、そんな中売却物件が隣で地続きで販売されたから
- 商業施設が規模拡大を目的としていたところ、隣が販売された
などといった、極めて珍しいケースがほとんどです。
(ちなみに15年の経験の中で私はこのようなことは1回もありません。それ位極めてレアケースです)
では、何故売れないとわかっていながら業者は高額の査定額を提示し、販売活動を行おうとするのか?
次でご説明致しましょう。
成約ではなく、「売却依頼を取る」ための、業界の裏話・・・
何度も繰り返しますが、
売却の方法は全てスタートが肝心となります。
売却とは、
「依頼者様を数多く集め、多くの物件を抱えること」が目的ではなく、
「売主様の負担を最小限に抑え、早期売却成約へと導くこと」が本来あるべき目的
でなければなりません。
多くの物件のご依頼を受けることは、非常に魅力的ではありますが、
我々の仕事は成功報酬制であり、依頼数による報酬制度はありません。
そんな中、
では、何故高額査定で依頼者を集めていくのか?
その理由を過去の私の体験談を踏まえお伝えしましょう。
業界のテクニック 高額査定=「塩漬けタタキ売り法」
過去のお話ですが、私が不動産会社の営業マン時代であった頃の話です。
売却を希望されているY様より、査定依頼を受けました。
Y様とは過去に物件を購入していただいた時からのお付き合いだったので、人間関係も深いつながりがありましたが、Y様の転勤を理由に売却の相談がしたいとのことでご相談をうけました。
他に1社比較のために後日査定をしてもらうといった状況でした。
査定結果報告後、しばらく経ちましたら、Y様からお断りの連絡がきたのです。
理由を尋ねますと、
「 君よりも、もっと高く売れるからと高い査定額を提示してきた他の業者に頼むことにしたよ。」
「 それと、今ちょうどこのあたりで探しているお客さんがいて、でも物件を紹介するには媒介契約(3種ありますが多くは専任媒介解約=依頼した1社に成約時、売却仲介手数料を支払い、売却依頼をしましたという3か月更新型の契約)を結ばないと紹介できないので、媒介契約を下さいっていわれてね。」
「 お客さんもいるみたいだし、金額も高く売れそうだから、そこに頼むことにしたよ 」
「 せっかく色々と相談乗ってもらったのに、今回は悪かったね 」とのお話でした。
査定額も私の提示した金額よりも3割高い査定額でしたので、
売主様にあたかも他社に依頼するよりも有利になる条件を提示し、売却依頼を受けることを目的とした営業法だなと、すぐ読み取れました。
もちろん私は査定を受けているだけですし、
売却の依頼を受ける前の「相談段階」でのお話ですから、
お断りを受けた以上それ以上は踏み込んだ話はしませんでしたが、
「 ああ・・・塩漬けになるな・・・」
購入時からのお付き合いだったので、
非常に残念な気持ちになりました。
塩漬けとはいったい?
「塩漬け」とは、売れ残り続けてしまう状態
を言います。
話の途中になりますが、ここでの「塩漬け」の話は非常に大事ですので、ご説明させてもらいます。
では、「塩漬け」になると、どんな結果になってしまうのか?
当然ながら市場よりも高い査定額を提示して依頼を受けても、
インターネットなどを使って、購入者側は相場観をきっちりと身につけているので、
相場より高い物件を買うような方はいませんから、売れるわけがありません。
当然ですよね、損せずに自分の為に買おうと一生懸命なのですから。
「 塩漬け 」になりますと、
- 売れ残り状態が長期間と続き
- あまりにもイメージが悪いので、結局売却金額を大幅に値下げ
- 何とか売ることができたものの、当初の適正な査定額よりも下回ってやっと成約
なんてことがザラです。
「塩漬け状態の物件」になってしまうと本当に厄介です。
販売中なのに、売れない・・・。
なかなか売れないということは、
「 何か近隣とトラブルでもあるの?事故でもあったの?」
など、本当の理由とは全く関係ないような悪いイメージと噂が色々と発生してきます。
それでも、売却依頼を受けている不動産業者は
「 売れた時に売却仲介手数料をいただける 」ので塩漬けだろうとなんだろうと、
「 査定額を高く提示し、売却依頼をまずは受けることに専念します。」
そして、
- 預かり続けば塩漬け化となり
- 時間が経てば金額を下げる提案をし金額を下げてもらい
- 売主様が疲れ切ったところでタタキ売って成約へと導く
という悪循環を辿るのです・・・。
売主様が査定依頼を数社に依頼した場合などは、
「 とりあえず物件依頼をもらうために、
よその業者よりも高い査定額を提示し、
売却依頼を受けるために全力を尽くします」
依頼を受けた後の売却活動は二の次であり、
次の目標は
「しばらく市場に出して塩漬けになるのを待ち、大幅に金額を下げさせる」
のが目標となります。
塩漬けになった物件は当然ながら売れない訳で、
売主様も売れていない事実を実感しているので、
だんだんと価格を下げざるを得ない心理状況に陥ります。
そして、
疲弊しきった売主様の心理状態を煽り、
塩漬け状態であることを認識させて、
販売価格を大幅に値下げしてもらい、やっと成約へ導かれる・・・。
こうなってしまっては後の祭りです・・・。
売却活動の途中で業者を変えたらどうなのか?
とも思うかもしれませんが、
売却理由や物件状況の説明等、
依頼業者とのやりとりがそれまで多くありますので、
新しい業者へ同じ手間を踏んで再スタートを切るということは、
かなりの労力が掛かりますので、
一度依頼した業者とはトラブルがない限り、
塩漬け状態でも依頼し続けてしまうことがほとんどです。
その売却を依頼する業者を変えることはまずほとんどないことをいいことに、
売却物件を預かりさえすれば、
「 いずれ成約して仲介手数料をいただける 」
と積極的な販売活動は行わなくなってしまうのです。
もちろん一生懸命に売却活動に取り組まれている優良な業者もいますが、
このような売却活動を行っている不動産業者が、
まだまだ実際に存在するんですよね、この業界・・・。
でも、数ある不動産業者の中から、
そのような業者を選んでしまったのは他でもない
「売主様自身」ですから文句も強く言うことができません。
我々は、査定依頼者様に「塩漬け」のリスクを必ず説明します。
その後のY様はどうなったのか・・・
話を戻しますが、
査定後、高額査定を提示した業者との販売活動が始まり、案の定売れることはありませんでした。
そんな状況のまま、自分も売却依頼を受けたわけでもないので、
物件のことも気に留めなくなり、時も経過して数年後でしょうか・・・
私の携帯にY様より連絡が突然きたのです。
私「お久しぶりです。お元気ですか?突然どうされましたか?」
Y様「 いやぁ・・・実はね、君の言っていた通りで、いつまでも売れず結局3回も値下げする羽目になって、やっと売れたんだよ・・・。 君の言ってた通りの結果になってしまったよ。」
「 結果、君の査定してくれた金額よりも300万円も安くなってしまったんだ。せっかく親身になって話してくれていたのに、悪かったね。その時、君の言うことよりも、おいしい話のほうに乗ってしまったことをどうしても謝りたかったんだ・・・。」
当時は、私の査定額よりも3割も高く提示してきた業者に魅力を感じ、
結果的に丁重にお断りされたのですが、
大きく査定額が異なっていましたので、魅力的だったのかもしれません。
その時は塩漬けの話をしていても上の空でしたから・・・。
当時、私のできることは、騙されないようにご説明することしかできないので、
あとは「その金額で売れれば良いですね!!」としか最後は言えませんでした・・・。
結果的に約2年間近くの売却期間だったみたいなので、
途中で転勤先へ引っ越すことになり、
新たに依頼業者を変えるのも疲れ果ててしまい、
売却が成約するまでは、
転勤先の家賃と売却予定の物件の住宅ローンの支払いを二重で支払っている状況で、
経済的にも大変だったみたいです。
私にも「塩漬け」の話をされており、更には聞く耳もたずに一度断ってしまっていたため、
途中で再度私に依頼することも申し訳なくできなかったとのことでした。
この「塩漬け=タタキ売り法」は、
昔からも良く使われている売却依頼の手段として、
未だ現在も良く使われている手法なのです。
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